おおやさんはねこ

児童向けのファンタジーではありますが、少し考えさせられる大人でも読み応えのあるお話です。
猫が大家さんのアパート、なんだかとても楽しそう！入居条件は“毎日、お魚を食べる方、日向ぼっこの好きな方”家賃は激安なのに、風呂トイレ付。主人公のぼくは即決です。しかし、大家の猫は33匹。猫たちの魚代で預金残高も心配になってくるほど。猫たちの相談に乗ったり、ともにトラブル解決にあたったり、ユーモアたっぷりの表現でお話は進みますが、考えさせられるような言葉がちりばめられいます。ラストの猫たちの決断が辛い…。
このお話は、作者が仕事部屋に借りていたアパートがモチーフ。実際にアパートのコンクリートには猫の足跡がついていたそうで、近所には猫がたくさん住み着いていたそうです。

『ねこのわるさなんて、かみさまがこのくらいは、わるさをしなければ、ほかの動物とつりあいがとれない　というくらいのもの』それくらい、猫は可愛い生き物です。という一文からも伝わるように、作者の猫愛が溢れています。なにより、主人公がビール好きなのが良かったです！

おおやさんはねこ
作：三木卓
イラスト：荻太郎
出版社：福音館書店
発行年：2006年
サイズ：17×13㎝　304ページ

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